副鼻腔炎(ちくのう症)

ちくのう症(副鼻腔炎)とは?

「ちくのう」は漢字で「蓄膿」と書きます。鼻の奥にある副鼻腔(ふくびくう) という空間が炎症を起こして粘膜が肥厚したり膿がたまっている状態 で、正式には副鼻腔炎と言います。副鼻腔炎は、以前は細菌感染によるものがほとんどでしたが、近年はアレルギ ー性鼻炎にともなって 発症する例も増えてきました。  症状は鼻水、鼻づまり、頭痛や頭重感、頬の痛みなどです。これらの症状は風 邪を引いたときに悪化する事があります。 また、肥厚した粘膜が鼻の中に突出する「鼻茸」(ポリープ)を伴うこともあ ります。

診察は、診察室での鼻鏡検査に加えて内視鏡を行います。(CT、レントゲン検査は他院に依頼)

また、アレルギーによる場合にはアレルギーの原因を確かめる検査を行うこ ともあります。

副鼻腔炎の診断がついたら、鼻と副鼻腔の膿を取り除く処置、薬液を吸入する ネブライザー治療、アレルギーや細菌感染に対する薬物治療などを行います。ア レルギーについては舌下免疫療法などの治療を行う場合もあります

長期間治療を続けても症状が改善しない場合や、治療を中断するとすぐに症状 が再発する場合、あるいは副鼻腔に腫瘍を認める場合などは手術を検討します。  現在、手術はほとんどの医療機関で内視鏡を使用して鼻の穴から操作を行いま す。 通常数日間の入院が必要です。  多くの場合、手術は必ず必要というわけではありませんが、長期間にわたる不 快な症状から解放されますので、手術を受けた多くの方が「やって良かったと」 とおっしゃっています。

ただし、癌などの腫瘍が疑われる場合や鼻出血をくり返 す場合には、手術を強く勧められます。このような場合には設備の整った病院で 詳しい説明を聞いた上で判断された方がよいでしょう。